Dendrobium hercoglossum/デンドロ・ヘルコグロッサム
1.
此処では真夏に咲く、蕊柱の先の紫色が印象的なデンドロビウムが、広州セッコクの名で売られていたのはもう35年ほども昔になろうか。
以来、高芽で何度か更新しながら、維持している。
原産地ではいざ知らず、この地では気候的条件からか、手入れの巧拙によるものか、日本のセッコク程度の大きさに止まっている。
春から成長した偽球茎が冬に葉を落として、翌年の夏に節々から花芽が出てきて開花に至る。(さらに古い偽球茎から花咲く場合もある。)そのサイクルもセッコクに似た点が多く、同様の育て方でいける。0度ぐらいの低温には耐える。
真夏の花でこれだけ花持ちのするものも珍しい。身近にみると判るが、ぷっくりとした、非常に肉厚の花だ(特にリップ)。
香りもある。良い香り、と言ってもいいのだが、ひょっとすると好悪が分かれるかもしれない。悪く言えば、昔の台所洗剤を思わせる、硬く人工的な感じのする香りなのだ。